訳合って40代、50代のご父兄の実情を知ることがあったんだけれど、まあ残務処理のとき。

今の40代のご父兄、特にお母さんの方は血眼になって、子供のために学習塾やいろんな物事を探すんですよ。それはどの世代でも変わらないじゃないかと思われると思うんですけど、ちょっと違ってて、たとえば、自分のような親父を引き継いだペーペーの人間に何とかならんかと聞いてくるわけ。親父がすごかったのもあるけど。

学習塾以外にも、「これからの時代、小学3年生のうちから英語はやっておいた方がやっぱりいいのか?」「英会話教室に通わせて慣れされた方が良いのか?」とかそういうことをお聞きになってくる方が多かった。まあこれは共通学力テスト(おそらく略称は共通テストになろう)が原因です。みんなふんわりしているんですが、今の中1が高校3年生になるとき、つまり6年後の2026年には共通学力テストの英語科目試験じたいがなくなります。じゃあ、どうやって英語の学力を測定するかというと、資格を用いる。特定の英語資格を持ってないと、そもそも国公立の大学受験ができませんよ、という時代になっていくんです。2026年からは。

これが先日、癒着疑惑で問題になったベネッセの英検(GTEC)だったりするんですけど、4技能というテーマを中心に組まれています。ライティング、リーディング、リスニング、スピーキング、ですね。もっとも速く認定されたのはたしかTEAPだったような。進学校の中1なんかはどうせもう速いんで、中2、3でそういう資格を取るように指導するんじゃないんですかね。遅くとも、高1だろう。その分他の科目に当てられるので、まあ余計に格差が広がってしまう感がある。

普通の学校の生徒は、英語資格を受けながら、他の勉強の対策もすると思うので、余計にギクシャクしますねえ。昔の京大理学部とか、そういう理数系特化型が得意な受験生の可能性は潰されそうです。まあ東工大にすべて流れていくだろう。その辺、国が作る試験なんていっさい信用してないから潔くていいですよね。高専から大学編入、短大工学部から大学編入、みたいな流れもあるかもしれない。後者は微妙です、あまり明確なソースなし。


となると、中高一貫化の流れは止めようがなく、さらに公立でもそのうち小中高一貫、私立の付属校みたいになっていくんではないかと思ってます。いちばんの苦しいところが、おそらく高校2、3年生で英語資格がないけど理系進学希望の子ですので、英語は受験テクで突破させて理系科目に時間を割く、という方法を自分なら取る。これ、英語能力余計に落ちそうな気がしますけどね、義務化は見直されるのか。いや、されまい。けっきょく、小学校から塾通い、付属国公立に通えるだけのお金がある世帯が有利になってしまう。教育の経済格差を縮めないといけないのに、広げていくバカな制度。古文漢文なくしてプログラミング入れろっていうバカいますけど、高校の勉強はアンテナ探しなんで、どこに興味があるかを測るものなんですよ。興味があるかないかをわかるためにあるので。プログラミングなんて入れる余裕はない。数学、英語、国語、社会、理科、これだけあるのに、古文漢文なくしてプログラミングなんか入れる余地も受験生が学ぶ余地も教える指導者もおらんわ。


おっと話が逸れた。

40代のお母さん方が他世代の親に比べて必死なんは、単純に就職氷河期を経てきているから、そりゃそうなるよねという感じで。あんな時代を経てきているので、苦労をたくさんなされている。子供にはそんな苦労をして欲しくない。それだけの気持ちが他の世代よりもとても強い。