丁寧にレビューしてる余裕がないから、こちらに残すけど、今週号は傑作すぎた。帝都タワーでのドティ戦は、難易度が高すぎて、読者がついていけなかった。そこで、プロトポリス編に入ると、少し難易度を下げて分かりやすいようにした。プロトポリス最終戦、エアポーカーでは、難易度をやや少し上げて、(もう殆ど内容は分かっているにも関わらず、興奮させるように)最後の様相まで描ききった。

すなわち、ゲームの難易度と、読者の予想のバランスを上手く取らないと、簡単すぎると予想は終了したり(興味がなくなって)尻すぼみになったり、難しすぎると読者が理解できない恐れがあるだろう。


そんで、迎えた屋形越えの「ハンカチ落とし」は、完全に、読者の予想や推測といった類のものを消しにかかった。ハンカチを落としたかどうか、それをチェックとドロップに分かれて行うだけであり、完全な心理戦となって読者は予想ができない。しかも、この漫画のおそらく最終戦である。そこにおいて、自分たちが参加できない、予想できないのは、ダメなゲーム選びとみなされても仕方ない。

と思っていたが、今週号で完全に覆された。完全な心理戦で、読者に予想させる暇を与えず、なおかつ、読んでいくうちに納得して、1分間は興奮しながら消滅していく。しかも、この後はとうぜん気になる。どうなるのか、いったい、何を判断するのか。といった、読者には「予想」する権利が与えられた。誇張もなく、僕は嘘喰いに没入した。電車内で、ただ一人、嘘喰いの世界にいた気分だ。